住宅診断(ホームインスペクション)って
何をすること?どんな時に頼むの?
住宅診断とはどういうものなのかご説明します。
ホームインスペクターの仕事ぶりNo.8
田口 元美 さん
新築住宅やリフォームの設計・施工と不動産仲介です。
工務店ですので、リフォーム前の現地調査や、弊社で建てさせていただいたお客様の住宅の不具合を調べて直したりすることは、日常的な業務として行ってきました。また、耐震診断を行っていまして、その一環として簡易な劣化診断もしていました。
はい、ですから協会でいうところのホームインスペクションとは異なると思います。そのほかには、住宅瑕疵担保責任保険の検査員やフラット35適合証明技術者としての仕事もしています。今後は既存住宅瑕疵保険の検査なども力を入れていきたい分野です。
協会のホームページを見た方からメールで依頼がきました。当時、岐阜の公認ホームインスペクターは私だけでしたので、最初に声がかかったようです。
その方は、購入希望の中古住宅を買って良いか、構造的に問題はないかを心配され、ホームインスペクションを希望されていました。当日は売り主の不動産業者も立ち会い、「売れなくなると困るんですよね~」と言われましたが、「客観的に判断をさせてもらいます」と説明し、お客様に劣化部分を解説しながら、診断をすすめました。
持ち家の診断は多くしていますが、売買時は初めてでしたので、売り主さんの目が非常に気になりました。見てわかる劣化も多くありましたので指摘しましたが、最終的に購入していただいたようですので、お客様に安心していただけて、良かったと思います。
ホームインスペクションの報告書をまとめてみて、記録が残ることの重要性を感じました。これまで口頭のみで済ませていた施工前の劣化診断についても、工事の内容と合わせて書面にまとめてあげるといいなと思いました。診断と修繕の履歴が残っていれば、次に買う方が出てきたときも参考になりますしね。
弊社では仲介業もやっていますので、最近、不動産のチラシに住宅診断をPRしはじめました。不動産業者からの紹介を推進したいのですが、まだまだ意識が低いですね。お客さんにとっても、政策的に補助がある耐震診断などとは違い、ホームインスペクションは民間のものですし、費用もすべて個人負担となるのでまだ敷居が高いようです。協会のホームページなども紹介していますが、その場でぱっと見られるようにホームインスペクションを説明するためのパンフレットのようなものがあればいいなと思います。
耐震診断は調査も含めて5万円くらいでやっているのですが、ホームインスペクションはまだ認知度や必要に迫られている感じが少ないので、今は3万円でやっています。
耐震診断にしろ、ホームインスペクションにしろ、売上的には微々たるもので、やはり耐震補強工事やリフォームにつながらないと、経営がなりたちません。地方では物件量が少ないので、ホームインスペクションという比較的敷居の低いサービスを入り口にして、その後の耐震診断・工事までいろいろやっていかないと、厳しいと思います。一件のお宅について、建てるところから、定期診断・リフォーム・改修・売却などワンストップでやってあげられることを強みにしたいと思います。
はい、事前にしっかり説明を行うことが大切ですね。無料診断だと心配される方も多いですが、診断でもお金をもらっているということ、かつそういった説明があれば安心・納得につながるかと思います。
住宅の健康診断として定期的に診断をするような仕組み作りをしたいですね。早めに補修すれば大事にいたらず、家も長持ちします。家をメンテナンスして大切に使えば長持ちするし、資産となりますしね。孫子の代まで住み続けることで、住宅ローンからも解放され、国民も豊かになるはずです。